日本の中小企業における新規事業展開の鍵とは?ベンディ人間情報研究所の最新レポート

2025.03.20 レポート

ビジネス環境が目まぐるしく変化する今日、日本の中小企業にとって新規事業の展開は持続可能な成長への重要な鍵となっています。ベンディ人間情報研究所(ベンディロール)が発行したホワイトペーパー「日本の中小企業における新規事業の課題」では、新規事業の必要性から成功のための具体的戦略まで、包括的な知見が提供しています。

なぜ今、中小企業に新規事業が必要なのか

高齢化、グローバル化、技術革新、そしてCOVID-19のようなパンデミックなど、企業を取り巻く環境は常に変化しており、従来のビジネスモデルだけでは立ち行かなくなる可能性が高まっています。特に注目すべきは以下のデータです。

  • 過去10年間で成長を遂げた企業のうち、約5割が新規事業の創出に取り組んでいます
  • そのうち約8割が、新規事業が自社の成長に貢献したと認識しています
  • 新規事業の展開と中小企業の業績には正の相関関係があることが示されています

新規事業の成功と失敗を分ける要因

また調査によれば、新規事業に成功している企業と失敗している企業には、明確な違いがあります。

成功企業の特徴

  • 「新しい柱となる事業の創出」や「顧客ニーズへの対応」といった積極的な動機で新規事業を開始
  • 既存事業が好調なうちに新規事業を立ち上げる傾向がある
  • 若い経営者が率いる企業の方が成功する傾向がある

課題と現実

  • 新規事業を展開した企業のうち、成功したと回答したのは約3割のみ
  • 成功した企業のうち約半数は経常利益の増加を実現していない
  • つまり全体としては約8割の新規事業が利益を生み出せていないという厳しい現実がある

新規事業担当者に求められるスキルセット

本レポートでは、新規事業担当者に必要な6つの主要スキルを紹介しています。

  1. 市場調査および分析スキル:市場動向、顧客ニーズ、競合分析などを行う能力
  2. 戦略的計画策定およびビジネスモデル構築能力:実現可能なビジネスモデルを設計する能力
  3. プロジェクトマネジメントおよび実行スキル:計画を実行に移す能力
  4. リーダーシップおよびチームマネジメントスキル:関係者を巻き込みチームを牽引する能力
  5. コミュニケーションおよび交渉スキル:関係者との円滑な情報伝達と合意形成を行う能力
  6. 適応力および問題解決スキル:予期せぬ事態に柔軟に対応し解決策を見出す能力

外部人材の効果的活用

自社だけでリソースが足りない場合、外部人材の活用が有効です。レポートでは以下のような成功事例が紹介されています。

  • システム開発会社がコンサルタントの支援により、製品開発前に契約を獲得
  • 石川県の食品メーカーが、物流、商品開発、マーケティングなどの分野でフリーランスの専門家を活用
  • 鳥取県の設備工事会社が、ECサイト立ち上げのためにIT関連の知識を持つフリーランスを採用
  • 岐阜県の製造業A社が、地元の大学と連携してIoT技術を習得し、新規事業開発に成功

まとめ

このホワイトペーパーは、日本の中小企業が新規事業を成功させるための具体的な知見に富んでいます。新規事業は確かに高いリスクを伴いますが、適切なスキルセットを持つ人材の育成・確保と、必要に応じた外部人材の戦略的活用が、成功への道を開く鍵となるでしょう。

ベンディ人間情報研究所(ベンディロール)では、このような課題を解決するための経営企画担当・新規事業伴走サービスを提供しています。気になる方は以下リンクからサービスをご確認ください。

Organizer

Yukey
YukeyCatalyst & Director
セールスマーケティング、エンジニアリング、デザインのすべての業務経験をもち、ベンチャー企業特有の僅少リソースでの事業立ち上げに強みを持つ。活用できるナレッジを組み合わせて戦略を練り、自らサービスデザインを行うことで、初期顧客を開拓する。ビジョン経営にも知見があり、社内の制度設計や組織開発、チームの素質を活かした巻き込み型のリーダーシップを武器に、内外の改革を推進する。2022年、国内ビジネススクールにてMBA取得済み、2025年、国内理系大学院にて技術経営課程在籍。